こんにちは、オサナイです。2021年4月1日で辺野喜共同店を経営してから1年が経過しました。今回は1年間やって分かった辺野喜の人の好みや傾向を紹介します。
かなりマニアックな内容でちょっと長いのでご了承ください。。。
なお、辺野喜共同店を知らない方はこちらをご覧ください。
沖縄県国頭村にある辺野喜共同店は、沖縄固有の集落出資により誕生した共同売店の一つです。交通手段の乏しい僻地の集落において、1916年の設立以来、集落の人々の生活を支えています。
現在も利用者の95%ほどは集落の人々で、好みに合わせた商品を取り揃えています。
夏はビール、冬は日本酒、おじいは泡盛
夏はやっぱりビール!
辺野喜の売れ筋商品と言えば、間違いなくビール!主におじさんたちなのですが、6缶で買うのが当たり前。夏にはなんとなく店前で飲み会が始まりますが、ビールは飛ぶように売れます。
銘柄はオリオンの麦職人、ゼロライフが人気で、その他キリンの淡麗や淡麗プラチナダブル、サントリーの金麦なんかも好まれています。

沖縄だけど冬は日本酒
一方で冬の主役は日本酒。熱燗にしてあったまるそうです。一般的な大関ワンカップやまるなんかが人気です。ただし、日本酒は毎日飲むほど好きな人がいる一方で、苦手な人もいてはっきり好みが分かれる気がします。

泡盛はおじい向け
また、泡盛は意外ですがおじい以外あまり飲まれません。どうも昔の臭いイメージが強いようです。
銘柄にこだわりが無く見えますが、飲むためならやんばる酒造のまるた20度、ウガン(御願) と言ってお墓などにお祈りのようにする際は、まるた30度が好まれます。

おばあは丸いお菓子が好き
丸いお菓子。。。とても抽象的なその言葉は地元の青年から聞いたのですが、本当にそうで小さく小分けになった”まんじゅう”や”どら焼き”のようなものが好まれます。

一度おばあの家に行って分かったのですが、どうやらみんなお茶菓子として用意しており、誰かお客さんが来たときに差し出すようです。もちろん自分でパクパク食べたりも。
食べやすいサイズなのはもちろん、また、ある人は小分けの方が腐りにくいし、虫もつきづらいから良いとか言ってました。
味噌はかねひでの丸い味噌
かねひでとは沖縄のスーパーの一つなのですが、ここにしか無いのが通称”丸い味噌”。

一体、なんて読むんでしょうか?正式名で呼ばれない理由がまさに今分かりました。
辺野喜ではこの味噌しか置いていないぐらい人気なのですが、”丸い味噌を買ってきてくれ”と曖昧なオーダーのために、探すのに苦労しました。
名護のかねひででこの味噌が品切れになっていたら、それは辺野喜共同店の仕業と考えて良いでしょう。
葉物野菜はほとんど買わない
辺野喜ではほとんどのお家で家庭菜園をしており、お裾分けをたくさんいただいたりします。サラダを食べるような習慣もあまり無さそうで、玉ねぎとジャガイモ以外はほぼ店頭で取り扱っていません。また、要望されることもほとんどないのが特徴です。
パン食は一般的
え、田舎でパンなんか食べるの?と思いましたが、やはりそこはアメリカ文化の影響を受けているのか、あるいは歯が弱いからとか、仕事の合間に手軽に食べられるからなのか、はっきり分かりませんがパンはとても好まれています。
食パンはオキコかファミマのもの(ファミマオリジナルもオキコで製造されています)。そして菓子パンは1ヶ月程度賞味期限の長いデイプラスの天然酵母パンを用意しています。1週間に30個ぐらい売れる時もあるぐらい人気で、色んな味があるからみんなも飽きないそうです。

ちなみにチョコクリームかいちごジャム味が私の好みです。
パッと見美味しそうか、分かりやすいデザインが大事
商品ジャンルに限らないみんなの好みの法則があります。それは見た目がはっきりして分かりやすくて美味しそうかです。例えば辺野喜で人気なのが、画像の上段にあるHOKOのさば缶↓

「さば」の文字も大きいし、写真もはっきり載っています。実際美味しいのですが、こう言ったものが好まれます。
逆に文字がちょこんと載っているようなカッコよくてオシャレなものは売れません。ちょっと前にあったローソンのPBデザインの話に通ずるところがある気がします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。他にもキムチが最近人気とか、アメリカのお菓子を好きな人がいるとか、好みにまつわる色んな話があるのですが割愛します。
今回紹介したのはあくまでも辺野喜の人の好みです。同じ沖縄でも国頭村でも、場所によって少しづつ食文化も異なります。集落の売店では商品構成を見比べてみるのも面白いかもしれませんね。
沖縄の田舎には今も共同売店などの地域に根ざした売店が残っていますので、ぜひ回ってみてください。